自治という生き方 荒谷卓先生
令和4年11月27日、愛媛県松山市の会場にて講演会を行いました。講師として荒谷卓先生をお招きして、「自治という生き方」というテーマでご講話を頂きました。会場は満席で、参加者全員が主体的に学び取ろうとする、素晴らしい講演会となりました。
自治とは生命活動そのものであり、自らの生命に対する全責任を自らが負うということ。そして、その生命活動を営む最小単位は個人ではなく家族にあるというお話がまずありました。エマニュエル・トッドの家族類型を参考に、日本人本来の家族形態とその中で行われる生活の営み、そして、その生活の営みから自然発生的に産まれる倫理道徳について学びました。いわゆる「日本人の民意の高さ」はこの自治的生活の営みに由来していたということでした。また、家の中に既に政治・行政・司法の役割が存在しており、それが拡大する中で村・国に発展していくというお話もありました。現代社会では忘れられていますが、「自治という生き方」は日本人本来の当たり前の生活であったのです。
次に、日本人本来の常識的生活を失った現代社会で、日本という国がどういった危機的状況に置かれているのかの説明がありました。グローバリゼーションと米国のコミットメントという日本における2大重要ファクターとの関わりの中で何を選択するかで4つのシナリオが生まれてくるというお話もありました。グローバル資本主義の最終形態である新世界秩序の展開が進む中、パワーエリートによる管理社会から脱却し、本来の日本人的生活「自治という生き方」を取り戻すべきであるというご主張でした。
懇親会でも約30名の方にご参加いただき、酒を酌み交わしながらそれぞれの熱い思いを伝え合う場となりました。最後に荒谷先生から、今回集まって学んだことをただの知識として終わらせるのではなく、明日から一人ひとりが自らの身に基づけて行動していくことが大切であり、ここに集まった自立した人同士で協力して、日本を良い方向に導いていって欲しいとの激励がありました。
会全体を通じて、非常に学びの多い会となりました。当会としても益々活動に力を入れていきますので、今後ともよろしくお願いいたします。荒谷先生、誠にありがとうございました。