ひの心を継ぐ会は愛媛の先哲竹葉秀雄先生の遺志を継承し発展することを目標とする有志の会です。

ひの心を継ぐ会について

ひの心を継ぐ会とは?

 ひの心を継ぐ会は愛媛の先哲竹葉秀雄先生の遺志を継承し発展することを目標とする有志の会です。先生は明治三十五年、現在の愛媛県宇和島市三間町に生を享けられました。伊予の豪族河野家の分家竹葉家の長男として伝統的な日本の家族の中で生長された先生は幼き頃より神童と称せられ、求道心深き純情の青年でした。日露戦役に殉ぜられた父を持つ先生はその幼少期より純忠報国の念願を抱きつつ勉学に努められました。

 大正十五年、先生に人生の転機が訪れます。香坂昌康県知事のお計らいにより昭和の聖賢安岡正篤先生の講演会が愛媛にて開催され、竹葉先生もそこに参加することとなったのです。まさに神の与え給うた神縁でありました。安岡先生の講演に感激、発奮された先生はやがて金鶏学院にて安岡先生の下で学ぶことになります。安岡先生も竹葉先生の人物を深く認められ、弟子としてではなく、兄弟として扱われたと言います。英才計り難く、すぐに頭角を現された先生は故郷愛媛の地に帰郷され、そこで数多の青年志士を教導されました。先生の塾は松下村塾にちなんで三間村塾と呼ばれ、文武農一体の理想的教育が行われました。天地の神々を拝して野に耕し、書を紐解きては、四書五経、記紀、万葉集、武においては神道夢想流杖術を実修されました。先生の徳を慕う青年達は県の内外を問わず集まり、さらには亜細亜の青年も交流しました。塾の精神を基調とした一村勤皇が根基となり、日本、亜細亜へと拡大して行った先生の足跡は愛媛の有志、永遠の理想です。

 先生懸命の尽力も虚しく大東亜戦争に敗れた日本は耐え難く忍び難い占領下に置かれました。時の三間村長であった竹葉先生は追放処分を受け、身を潜められます。

 先生戦後の出発点となったのは、愛媛県知事久松定武氏の任命による教育委員長就任です。日教組の跋扈する当時の教育界において竹葉秀雄先生が任命されたことは一大事でありました。恐喝、暴行、謀略、想像を絶する日教組の妨害の中にあって先生は毅然として立たれ、昭和三十年代勤務評定導入を着実に進めて行かれました。猖獗を極める日教組に対しても仁と誠を以て和らげ、時には断固として厳格に武を振るい、紆余曲折、千辛万苦を経て愛媛教育に維新の道を拓かれました。その結果、日教組は壊滅し、それに代わるに教育の正常化を目指す愛教研(愛媛県教育研究協議会)が設立され、戦後の日本教育正常化の魁となりました。

 昭和三十三年安岡先生師友会の道統を継ぐ愛媛県師友会ひの会が発足し、松山・今治・宇和島・新居浜・周桑・大洲など、県内各地三十一カ所に支部が立ち上げられ、愛媛県内を隈なく教化されました。

 竹葉先生の後を引き継がれたのは愛媛県庁にて活躍された近藤美佐子先生であり、近藤先生の後は窪田弘先生がひの精神を守り伝えて行かれましたが、愛媛県師友会ひの会は平成二十五年解散の運びとなりました。

 幽明境を異にするとも、大和魂地を去らず、その精神は後進を見えざる所に化し、いざない導きます。愛媛大学にて日本国体に覚醒し、真実の道を求めて、迷いながらも神の道に勇往せんとする青年は、神慮に導かれつつ愛媛県師友会ひの会の元会員に結び合わされて行きます。青年の純情は竹葉・近藤両先生亡き後の愛媛教育界の退廃を座視するに忍びず、若輩菲才の身と知りつつも若き志を激励し、竹葉先生の残された「ひ」の精神を継承せんと奮然として立ち上がりました。ここに青年の純情を暖かく、時に厳しく守り育てて下さるひの会の諸先輩方のご指導をいただき、諸々の艱難を超えて、平成二十九年七月「ひの心を継ぐ会」は発足しました。

 内外の憂患に切に苦しむ現今の日本の復活は、教育の再生にその鍵があります。力あり わざありとても 何かせむ たのまんものは 心なりけり(平野國臣先生)と幕末の先人も叫ばれましたが、政治、経済、軍事、日本の急務数多い中で、人心を整える教育こそはその根本であり、基礎であることは疑えません。この教育の問題に生涯身をもって取り組んで来られた先生の足跡に学び、その精神と事業を今に実践することこそ、愛媛の後進である我々の責務です。愛媛での竹葉先生の業績と言えば、勤務評定、日教組闘争ばかりが注目されますが、それは先生の花や実の一つであっても、その根ではありません。先生が同志とともに切磋琢磨し、練磨を重ねられた文武農三位一体の三間村塾の聖業こそ竹葉先生の根幹であったと信じます。土地に深く根を下ろし、天地の恩徳に育まれつつ、古典を真読して国体を明らかにし、剣を振り、肚を練りつつ精進して行く。志ある生活を共有する真の同士が結び合い、一族となって大事に勇猛する。まさに三間村塾は現代の松下村塾であったと思います。土地、生活、血脈を離れた所に真実の教育は有り得ません。内憂外患に触発され、保守的、国家主義的な雰囲気が高まる中、地を離れた日本主義が鼓吹されることを恐れます。時間はかかるかもしれませんが、竹葉先生の業績を表層的に追うのではなく、竹葉先生の歩まれた道を一歩一歩辿りながら、着実に継承発展の使命を遂行して行くことを誓います。

ひの心を継ぐ会会員

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