第31回 勉強会 土居清良を読む
【第31回勉強会】
10月30日、松山市にて第31回「ひの心を継ぐ会」勉強会を開催いたしました。
最初に「愛媛県師友会歌」を斉唱。その後、竹葉秀雄先生著『土居清良』を読み進めました。今回は「不義を許さず」の段を学びました。『土居清良』は竹葉秀雄先生が若き日に書かれた名著です。戦国時代という秩序乱れる世に毅然として立ち向かわれた清良公とその一族に一読感激せざるなしです。人倫の乱れ、教育の乱れなど、総じて社会の乱れ甚だしき今日にこそ、読まれるべき書であります。
以下、参加者の感想を掲載いたします。
・「天を知り命を識る人生の達人は、また時を知っては退いて独り千古の道に生きるえあろう」とあるが、命を懸けて護ってきたものが侵されても、下城後の清良の心が動かなかったのは天命に随ったということなのだろうか。まるで燃え尽きたかのように余生を過ごした偉人は何人もいたという話を聞き、人生の達人とは何かを悟り、身を引くようになるかも知れないと思った。
・昨年12月より始まった竹葉秀雄先生著「土居清良」の勉強会が今月を持って一旦終了となりました。私も土居清良公の生き様と一代記である「清良記」の内容を伝えるのは私の使命と思い、ほぼ毎月三間から馳せ参じました。その中に新しい発見、竹葉秀雄先生の思い、著作「土居清良」を通して言わんとされた事、「清良記」との相違、検証すべき課題など様々に恩恵を受ける事ができました。最後の勉強会では、三浦会長が「戦国期勇んで戦って来た土居清良公が下城と同時に大人しくなっていく姿を、敗戦後の日本人のように思う」と言われたのが印象に残りました。土居清良公は四国平定後に戸田勝隆からも藤堂高虎からも丸串城の城代を願われますが辞退しています。そして謀反を企てようとする同志達を説得し解散させる事に腐心して行きます。清良公の一族は祖父母を始め石城崩れの時に主君を変えて長く生きるより名誉の自刃を選択しました。清良公は土居家の再興を託されて十三代目を引き受けていきますが、本当は共に自刃する事を願い説得されての事。清良公は土居家再興の願いに背きながら世を捨て静かな静かすぎる余生を送ります。僅かばかりの古い家臣のみと細々と交流しながら、昔の武勇談議に祖父母や親兄弟一族の供養に思いを馳せたのだと思います。